完全更新から簡易更新へ 秋口に抑えることが肝心 洋希さんをはじめとする地域のよい牧草を栽培するために欠かせない草地更新。かつて田中生産者は、7〜8年周期でプラウによる完全更新を行っていました。しかし、平成13年の牧草管理利用組合SWAT立ち上げと同時に、ロータリーによる簡易更新を導入。その背景を、田中さんはこう話します。「完全更新はプラウで土を30 〜35センチの深さまで耕す大掛かりな作業なので、多額のコストがかかってしまうんです。しかも、表土の肥沃な土を地中深くに埋めてしまう。ロータリーによる簡易更新は10〜15センチの表層 だけをかく拌するため、コストも抑えられて肥沃な土も活かせますからね」。一方で、土を浅く耕す簡易更新には「牧草の根が地中に伸びていかない」というデメリットも。そこで取り入れたのが、サブソイラーによる心土破砕でした。「大きなフォークのようなアタッチメントで、40センチほどの深さまで土に穴を開けるんです。牧草の根が地中まで伸びるようにね。工程は増えてしまうけれど、それでも完全更新よりはコストを抑えられます」と田中さんは言います。田中さんが草地更新と並行して注力しているのが除草です。「リードカナリーグラス、エゾノギシギシなどいろいろな雑草がありますが、とくに困っているのがメドウフォックステイルです。以前は表層かく拌の2カ月後に除草剤をまいておけば抑えられたんだけど、だんだん抑えられなくなってきた。そこで5年ほど前にタッチダウンiQを導入して、年2回の除草体系にしました。タッチダウンiQは、2番草の収穫後に散布しています」。 年2回の除草を行う中で、する理由とは──。「雑草の種を越冬させないためにも、秋口に抑えられるものは抑えておくのが一番。タッチダウンiQは雨にも強いみたいだから、これからも頼りにしています」。田中さんに聞きました!牧草左から田中洋希さん、ご子息の田中祥太さん、SWATメンバーの影山健一さん■牧草の草地更新スケジュール除草タッチダウンiQ標津郡中標津町HOKKAIDO除草剤心土破砕かく拌・砕土・鎮圧除草播種1番草収穫除草剤2番草収穫1110月11月12月翌年5月6月7月翌々年6月7月8月9月10月牧草づくりについてちょっとひとこと酪農は「土づくり、草づくり、牛づくり」といわれるように、まずはいい土を作ることが大切。そのためにも7〜8年に1回は草地更新で土を耕し、しっかり除草したうえでいい牧草を作っていきたいですね。10月にタッチダウンiQを施用タッチダウンiQ 実感レポート北海道牧草づくりに雑草防除は欠かせません。雨に強いタッチダウンiQは頼りになります。北海道標津郡中標津町田中洋希さんJAけねべつ管内で酪農家として田中牧場を経営するかたわら、牧草管理の利用組合SWATの代表として地域の酪農に貢献。ご自身も150haにわたり牧草(オーチャードグラス、ペレニアルライグラスなど)を栽培。田中さんの「タッチダウンiQ■」雑草防除日誌
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