H0525_みちくさプレス86号
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40度前後の傾斜を草刈りするリモコン式草刈り機試験を経て、防除暦に採用継続的な薬剤の使用がカギ 近年はシャインマスカットの人気が高く、生産量は年々右肩上がりで 増加しているというJAフルーツ山梨管内。ここ数年は、晩腐病が深刻で、特に巨峰やピオーネなど黒系のぶどうに被害が目立つのだとか。その対策として同JA管内ではカサかけや袋かけなどと併用し、かまぼこと呼ばれる雨よけビニールをぶどう棚の上に施設するなど 耕種的防除にも積極的です。さらに、2年間の試験を経て、2020年から防除暦にセイビアーフロアブル20(以下、セイビアー)を採用していただきました。採用の経緯について同J Aの星野一雄次長はこう言います。 「2017年に晩腐病が広がり、大打撃を受けました。「スマート農業技術の開発・実その頃、セイビアーの評判を聞き、2018年、2019年に試験的に導入したところ、予想以上の効果が認められ、防除暦に採用しました。散布しやすく、残効性にも優れている点がいいですね」。 晩腐病は、結果母枝や巻きひげなどに菌糸の状態で越冬していた病原菌が、春先の雨滴とともに分散し、成熟期に降雨などが原因で感染が広がってしまうので、対策が難しいのだと星野次長は話します。 「潜伏期間が長いので、薬剤の使用も長期的な経過を見ないと効果を判断しにくいのです。セイビアーを2018年から毎年使用することで、年々、晩腐病の発生が減少していますので、継続的に使用することでより効果が実感できる薬剤ではあると思います。今後は部会の青年部で講習会などを開き、使用を推進していきたいですね」。 同JA管内では農水省の証プロジェクト」を通じて、スマート農業実証研究を推進中。先進技術を柔軟に取り入れながら、品質を向上させ、フJAフルーツ山梨管内の「セイビアー■フロアブル20」病害防除日誌ルーツ王国をけん引する存在としてますますの発展が期待されます。ぶどうご存じですか?YouTube動画でこの活動を紹介しています!Ⓡはシンジェンタ社の登録商標星野一雄次長(左)と青木麻里子さん■巨峰・ピオーネ・藤稔の防除スケジュール6月新梢管理・誘引スイッチ顆粒水和剤こんな会社です!YouTube動画はこちら➡YAMANASHI同JAはフルーツ王国山梨を代表する産地のひとつ。なかでもぶどうは、桃と並ぶ主力果樹で、巨峰、ピオーネ、シャインマスカット、デラウェアなど多様な品種を栽培。カサかけ・袋かけ殺菌剤開花摘粒セイビアーフロアブル20殺菌剤粒が小豆大のタイミングで散布収穫抽選で5名様に山梨伝統の特産品「ころ柿」をプレゼントします!※詳細はP.14をご覧ください2020年10月作成(KF/MO)4月5月7月8月「耕作放棄地のお花畑化プロジェクト」で緑肥植物を栽培このプロジェクトでは耕作放棄地を春季と夏季の年2回、お花畑に変えていこうと、春にハゼリソウやクリムソンクローバー、夏にヒマワリといったミツバチの餌資源の元として緑肥植物を栽培しています。耕作放棄地を利用してミツバチの餌資源を創出し、生物多様性・生態系の保全と地域農業の活性化の両立を目指しています。スマート農業についてちょっとひとこと山梨県東部に位置するJA管内は傾斜地の圃場も多い地域。作業負担を減らすために、ドローンを使用した農薬散布やハウスの遠隔制御、リモコン式草刈り機などの実証実験を進めています。セイビアーフロアブル20 実感レポート山梨JAフルーツ山梨継続的な使用で効果をより実感。散布しやすく、残効性にも優れています。JAフルーツ山梨 営農指導部星野一雄次長/青木麻里子さん

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