H0453_みちくさプレス77号
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実感レポート動画実感レポート動画ウェブで公開中!マッチ乳剤──現在は20種類ものかんきつを栽培されていますが、なぜそのような多品種化に取り組まれたのですか?二宮副主任 20年ほど前までは、この地域のかんきつといえば約8割が温州みかん、残りは4大晩柑(八朔、伊予柑、ネーブル、甘夏)が主でした。ところが温州みかんと4大晩柑の価格低迷により、農家の方々は十分な収益をあげることができなくなってしまったんです。それから次第にデコポン、ポンカン、河内晩柑といった中晩柑類を取り入れる農家が増え、適材適所で新品種を取り入れるうちに多品種化が進みました。──適材適所とはどのような意味ですか?二宮副主任 ここJAえひめ南の管内の地形は海あり山あり平地ありと非常に変化に富んでおり、それぞれの環境に合うかんきつもさまざまです。たとえば山間地であれば従来通りの温州みかん。傾斜地ならではの陽当たりの良さや小石混じりの土壌による水はけの良さは、温州みかんに欠かせません。一方、中晩柑類は平野部でも栽培することができるので、急傾斜地での作業が難しくなった高齢の農家さんにはうってつけです。また、この海からの照り返しは真冬の急激な気温低下を防ぎ、積算温度も十分に保ってくれます。この海がなければ、かんきつの産地になれなかったのではと思うほどです。──生産者の収益向上のほかに、多品種化によるメリットはありますか?二宮副主任 が、1年を通してリレー出荷できることです。当JAでは9月の下旬から極早生温州みかんの出荷が始まり、河内晩多品種化の大きな利点柑の出荷が終わる6月まで、かんきつの出荷が途絶えることはありません。また、このような栽培体系は生産者の労力分散にも貢献しています。たとえば従来であれば温州みかんの繁忙期となる州みかんを減らしてその前後に栽培できる品種を増やせば、上手に労力を分けることができます。生産者の都合に合わせて栽培する品種を選べることも、多品種化の大きな利点と考えています。──日本で初めてブラッドオレンジを産地化された経緯についてお聞かせいただけますか?このイタリア原産の品種二宮副主任 を産地化できたのは、皮肉にも近年の温かんきつ7JAえひめ南青果部果樹専門指導員の二宮 崇副主任(左)と株式会社池田喜伴商店農薬部の菊池幸治さん(右)変化に富んだ雄大な地形が高品質なかんきつを育む薄い外皮に甘い果肉がぎっしり詰まった中晩柑類のひとつ「甘平」JAえひめ南では「ぐるなび食市場」に出店し、かんきつなど特産品のネット通販を行っています。ぜひ、お気軽にご来店ください!http://shop.gnavi.co.jp/sanchokudayori/sg/jaehimeminami/温州みかんの一大産地として知られるかんきつの王国・愛媛県。そのなかで温州みかんだけに頼ることなく、独自の多品種栽培を行っているのがJAえひめ南です。多品種栽培の理由についてや日本で初めて産地化に成功したブラッドオレンジなどについて、同JA青果部果樹専門指導員の二宮崇副主任にお話を伺いました。10月・11月に作業が集中しましたが、温愛媛県適適材材適適所所のの多多品品種種化化をを推推進進しし、、11年年をを通通ししたたリリレレーー出出荷荷をを実実現現。。

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