H0470_みちくさプレス81号
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生でも食べられる白身のやわらかさと甘さが人気の秘訣ハウス栽培では、収獲前に遮光板を立て、軟白部を育成する独自の技術を採用JAなすの管内の「那須の白美人ねぎ」は高品質でブランド力があり、特にハウス栽培の軟白ねぎでは、通常のねぎよりも市場出荷価格が高く、有利販売しやすいそうです。このブランドねぎの人気の秘密はどこにあるのでしょうか?同JA南部園芸センターの郡司拓郎さんにお聞きしました。「白身の部分は一般的なねぎが30センチほどしかないのに比べ、ハウス軟白ねぎはに辛みが少なく、軟白部分はやわらかくて甘みがあるので、市場関係者からも非常に高く評価されています。生食にも向いているので、ブツ切りにしてそのまま味噌をつけて食べても美味しいんですよ」。その栽培のご苦労について、「とにかく全部手作業だから、手間がかかって大変」と話すのはJAなすのねぎ部会の増渕勇治部会長。ハウス栽培の軟白ねぎづくりにおける最大の特徴は、〝遮光板〟を利用した独自の栽培技術にありました。「ねぎの軟白部分をつくるために、ねぎをはさむようにして発泡スチロール製の遮光板を立てるんだ。5〜6月採りねぎの場合は収穫40日前ぐらいから遮光するんだけど、大体ハウスの中だとうね間は30センチしかないから、そこに中腰の姿勢で遮光板を立てる作業は容易じゃないんだよ」と増渕部会長。また、それ以外にも、定植は一苗ずつ手作業で行われ、50坪のハウスの場合5500個の苗を手作業で植えるのに1日がかりなのだとか。露地栽培は、播種から収穫までを機械化して作業を省力化できるのですが、ハウス栽培は機械化できないのがデメリット。その分、露地栽培と比べてかなり高い単価で取引されるのもうなずけます。同JAでは、ねぎの宣伝や販売促進についても積極的な活動を展開しています。「白美人会」というJAの婦人部メンバーが、年に5回ほど都内のスーパーや百貨店を試食販売で巡回し、「那須の白美人ねぎ」の特性を活かしたレシピ集を作成し、配布しているそうです。また、栃木県の主催で毎年開催される食のイベントでは、100名以上の消費者に対してねぎ部会生産者が5分間のプレゼンテーションを実施し、PRに努めていらっしゃいます。有利販売がしやすく、市場からも引き合いが多い「那須の白美人ねぎ」。増渕部会長は「ここ数年はねぎ部会に若いメンバーが増えてきました。それも、このブランドねぎの効果なのかもしれませんね」とうれしさを隠しきれないご様子です。         1栃木県軟白部分がやわらかい「那須の白美人ねぎ」ハウス軟白ねぎは、遮光板で軟白部分を40センチ以上に仕上げる40センチ以上が基準。通常のねぎのよう栃木県の北端に位置し、那須高原等の観光地も抱えるJAなすの管内。平成5年から「那須の白美人ねぎ」のブランドで販売が始まったねぎは、ねぎ部会136名の生産者により露地72ha・ハウス8.3haを作付。平成15年には日本農業賞・集団組織の部で大賞も受賞しています。今回は、このブランドねぎにスポットを当て、産地の取り組みをご紹介します。ね水ぎ稲JJAAななすすの「の「那那須須のの白白美美人人ねねぎぎ」。」。ややわわららかかくく甘甘みみ豊豊かかなな白白身身部部分分はは4040セセンンチチ以以上上がが基基準準。。

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