H0461_みちくさプレス79号
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とりで──現在の産地の状況をお聞かせください。道下部会長 「蒼あおの砦」という品種を中心に地域全体で4品種を栽培し、大正だいこんとしてブランド化しています。「蒼の砦」は春だいこんで、寒さに強く、つやがあり、揃いがよく生長するのが特徴です。5月、6月とはいえ、大正は気候が厳しく、30度になる日もあれば、雪が降るような日もあります。そういった気候の影響をできるだけ受けずに、安定して収穫できる品種を探していたところ、「蒼の砦」に出会いました。──品質の良い大正だいこんを栽培するために、毎年、品種選定試験を行っているそうですね。これはどのように実施されていますか。上野さん 生産者の方の畑を借りて各メーカーの新品種を栽培し、大正の気候風土に適した品種を選定しています。チェック項目はだいこんの形状や肌つやのよさ、晩抽性、耐病性、耐生理障害など多岐に渡ります。候補となる品種は数年に渡って栽培しながら絞り込んでいるのですが、採用するのは100品種のうち1つか2つですね。道下部会長 するので、店頭で少しでも長く棚もちすることも大切です。出荷先に着いてすぐに傷むようなものではなく、ある程度の期間、新鮮さが保てるような品種であることも重要視しています。──栽培で苦労されているのはどのような点でしょうか。道下部会長 やはり病害虫の防除ですね。帯広は畑作が中心で、生産者の多くはばれいしょ、小麦、てんさい、豆などを量販店や市場に出荷を輪作し、その中にだいこん栽培を組み込んでいます。でも、私自身はだいこん90ha、ごぼう  1営しています。それは、だいこんは他の畑作より防除を徹底的に行うので、だいこん栽培を畑作に組み込むより、だいこんだけを栽培したほうが、生育の障害になる菌の密度が少ない傾向があるためです。もちろん連作の心配がありますので、だいこんとだいこんの間には緑肥を1作ないし2作植えるなどして、地力が回復するような工夫は怠りません。道下部会長の圃場。異常気象に悩まされた昨年と違い、今のところ、出来はよさそうとのこと。地域団体商標取得を機に作成されたオリジナルキャラクター大根生産部会の道下隆宏会長(右)と、JA帯広大正 生産販売部の上野雅哉さん15ha、ながいも2haの野菜専業で経北海道十勝のブランドだいこん「大正だいこん」の産地として知られる、JA帯広大正。平成元年に栽培が始まり、現在では管内の栽培面積が300haにもおよび、6月下旬から10月上旬までの4ヵ月間に渡り大正だいこんを出荷しています。今回は大根生産部会の道下隆宏会長と、JA帯広大正の上野雅哉さんに、高品質なだいこんを栽培する産地としてのこだわりについてお話を伺いました。北海道肌肌つつややががききれれいいなな美美肌肌だだいいここんんをを栽栽培培。。厳厳ししいい品品種種選選定定試試験験とと徹徹底底ししたた防防除除でで

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