H0461_みちくさプレス79号
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──「千曲園」の概要について教えてください。滝澤さん の代から続いており、私は就農して4年目です。約2haのりんご園を父と祖母、パートさん数人とともに運営しており、「あかぎ」「秋映」「シナノスイート」「シナノゴールド」「サンふじ」「夏あかり」といった品種を栽培しています。千曲園では、りんご栽培を観光農園、贈答用直売、JA・市場出荷の3部門に分けてリスク分散。観光用が7割、直売・出荷用が3割という構成比で経営しています。──観光りんご園の経営では、どのような課題がありますか。滝澤さん 観光用のりんご狩りは、9月下旬から11月下旬までオープンしており、ピークの11月には複数の観光バスが来園し、1日に30組以上のお客様が集まります。当農園は長野市のアップルラインと呼ばれる道路沿いにあり、多数のりんご園が集中しています。りんご狩りの後にお    7客様が有料でお土産に持ち帰るりんごを、重量制にするか、詰め放題にするか試行錯誤した時期もありました。重量制だと正確に計量しなければならず手間がかかるので、結局、大・中・小3種類のカゴに詰め放題にする方式を採用しています。お客様の多くは祖父の時代から続くリピーター層なので、高齢者の方が多い。だから、いかに新規の若いお客様を増やしていくかが課題なんです。──りんご栽培での課題やポイントはありますか。滝澤さん 出荷用に20aほど手がけてい観光用のりんご狩りは祖父る高密植わい化栽培のりんごを、いかに上手に管理していくかは今後の課題です。高密植わい化栽培は、従来のわい化栽培で根の部分として使用されていたマルバ台木を使用せずに、中間台木を自根台木として定植する栽培法です。りんご狩り用の樹は、わい化栽培で樹と樹の間隔をあけてお客様の動線を確保し、広々とした空間を演出しますが、高密植わい化栽培はその対極にあります。りんごの樹がコンパクトになり密植が可能なので、一直線に樹を並べてスムーズに管理作業を行うことができ、早期収穫・多収などのメリットもありますね。りんごピークの11月は多くのりんご狩り観光客でにぎわう千曲園の滝澤慶祐さんりんご詰め放題用の有料カゴ(小・中・大)長野県の最北部に位置し、信濃川の源流となる千曲川・犀川の豊かな水に恵まれたJAながの管内。比較的降水量が少なく、昼夜の寒暖差が大きい環境のもと、高品質な農作物を栽培。とりわけりんごなどの果樹では、全国屈指の品質と安定供給を誇ります。今回は、50年の歴史を持つ観光りんご園「千曲園」をたずね、管内のりんご栽培について、その取り組みをご紹介します。長野市で千曲園を経営する滝澤慶祐さんにお話を伺いました。長野県観観光光農農園園・・直直売売・・出出荷荷ででリリススクク分分散散。。新新品品種種「「夏夏ああかかりり」」でで販販路路拡拡大大をを狙狙うう。。

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