H0533_みちくさプレス87号
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宮崎県宮崎市 JA宮崎中央田野営農センター 根井 一樹さん鉢上げ時の2成分処理で、定植時の省力化と精神的余裕に貢献。きゅうり 「病害虫防除については毎月、ローテーション防除をシートにまとめ、部会の方々を巡回指導するようにしています」と話す根井さん。JA宮崎中央の育苗センターでは、各地域の組合員にきゅうりの苗を出荷しています。育苗センターでの重要な課題は「アザミウマ類による食害防止」と「適期灌水などのこまめな苗管理」なのだとか。育苗期の問題害虫はアザミウマ類。特に育苗期後半のミナミキイロアザミウマは要注意なのだそうです。「ミナミキイロアザミウマは、黄化えそ病のウイルスを媒介するので、育苗期に感染すると定植後に黄化えそ病が発症することが多い。そうなるともう抜根して廃棄しなければなりません」と根井さんは言います。とりわけミナミキイロアザミウマ被害に遭うリスクが高いのは、鉢上げから出荷までの7〜10 「以前は、育苗センターで鉢上げ時処理してい日間。そこで、同JA育苗センターでは、それまで鉢上げ時に使っていた1成分の粒剤に替えて、2020年から2成分のミネクトデュオ粒剤を採用しました。た粒剤の効果をカバーするために、それとは異なる成分の粒剤を農家さんが定植時処理していたんです。その粒剤は、効果が出るまで3日ほどかかるのでノーガードの期間ができてしまい、食害リスクが高まることがデメリットでした」。ミネクトデュオ粒剤は、農家さんの生産現場に省力効果やコスト面などのメリットをもたらした、と根井さんは続けます。「ミネクトデュオ粒剤は、殺虫スペクトラムが幅広い2成分剤なので、農家さんが定植時処理していた粒剤が不要になりました。また、その省力効果で削減できたコストをローテーション防除の散布剤にまわせるので、農家さんの間には気持ちの余裕が生まれているようですね」。近年はLINEなどのデジタルツールによる営農情報発信を推進する根井さん。若き営農指導者の挑戦は続きます。ミナミキイロアザミウマの媒介するウイルス病発症で抜根に!?定植時の粒剤が不要になり、余裕が生まれた    ●●●●    JA宮崎中央管内の害虫防除日誌「つる下げきゅうり」の防除スケジュールJA宮崎中央 田野営農センターで営農指導を担当。同JA全体では、きゅうり144ha(輝世紀、エクセレント620、常翔など)を栽培。400名ほどのきゅうり生産者が組合員として所属する。ミナミキイロアザミウマによる黄化えそ病の阻止鉢上げ時の薬剤処理にミネクトデュオ粒剤を採用定植時の粒剤処理をなくした省力化薬剤コストの有効活用10月翌年6月8月9月播種殺虫剤ミネクトデュオ粒剤鉢上げ時に処理し、その7〜10日後に苗を出荷定植収穫定植後の本圃では、散布剤で定期的にローテーション防除ミネクトデュオ粒剤11課題対策成果

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