みちくさプレス88号
7/16

③出穂後(2021年)混用区はノビエの発生が見られない悩まされてきたノビエが激減。春先の青草にも明確な違いがありました。水稲ノビエが減少し、除草作業が楽に混用散布で春先の青草が少なくガスの発生も抑えられた 柚木隆憲さんは、土づくりや土壌改良剤で圃場の地力を上げることに注力しながら、質の高い米づくりを目指しています。そのための一番の課題となるのはノビエなどの「雑草対策」なのだとか。 そこでノビエ対策として2020年の収穫後、非選択性茎葉処理除草剤プリグロックスLと稲わら分解促進材「アグリ革命アクア」の混用散布による稲刈取後除草試験を行っていただきました。プリグロックスLは、収穫後の散布でイネ科植物の種子に付着させることで、発芽後に種子が枯死し、以降の雑草発生密度を低減する『種子発芽後枯殺効果』を持っています。 試験ではプリグロックスLにアグリ革命アクアを混用した混用区と、アグリ革命アクアのみを散布した単用区で比較しました。「混用区では、春の青草などの雑草が少なく、代かきの作業がとても楽でした。また、田植え後のノビエもよく抑えられていましたね。中干し後にはノビエが発生しましたが、単用区ではノビエが密生していたのに、混用区では大した発生量は見られず、密生もなかったですね。正直、ここまで差が出るとは思いませんでした」と柚木さんは評価してくださいました。 今回の試験では『種子発芽後枯殺効果』を実感いただけたほか、ガスの発生も抑えられたと柚木さんは言います。 「春に出現する未熟な青草や前年のわらが腐ると、ガスが発生し稲の根が弱ってしまいますが、混用区ではガスの発生も少なく、稲の初期生育も良かったように思います」。この理由について、アグリ革命アクアの販売代理店アサヒミネラル工業(株)営業の菊本裕司さんはこう分析します。 「浮きわらやガス発生が抑制された点は、アグリ革命アクアが、土中に残る前年のわらの分解を促進させるとともに、プリグロックスLの効果で青草などの雑草発生が減少したことに、起因していると思います。また、稲の初期生育の良さも、ガスわきが少なかったのが要因ではないでしょうか」。 プリグロックスLとアグリ革命アクアを混用した今回の除草試験。柚木さんに効果の実感をうかがうと「1年だけでは総合判断はできませんが、ヒエが少なくなり、除草作業がとても楽だったのは確かです」と話してくださいました。今後は様々な課題を考えながら、プリグロックスLの使用意向を検討していく予定です。単用区混用区単用区混用区↑単用区はノビエが密生単用区混用区稲わら分解促進剤「アグリ革命アクアⓇ」※アグリ革命アクアⓇは株式会社メニコンの登録商標①散布約1ヵ月後(2020年)②散布翌春(2021年)混用区は春の青草などの雑草がほとんど見られない柚木さんの雑草防除日誌稲刈取後除草の試験スケジュール2020年7月9月柚木さんは、15年以上水稲栽培に取り組む。2021年度はコシヒカリを47a、あきだわらを27a、八反35号(酒米)を19a栽培。生産者の柚木隆憲さん(左)と、「アグリ革命アクア」の販売代理店アサヒミネラル工業(株)営業の菊本裕司さん。より詳しい情報はWEBで!茎葉処理除草剤プリグロックスL非選択性稲わら分解促進剤「アグリ革命アクア」と混用散布収穫10月2021年5月田植え初期除草剤田植え翌日に処理6月8月9月初・中期一発処理除草剤田植え23日後に処理収穫(予定)プリグロックスL6水稲省力化特集

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る