みちくさプレス92号
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「ユニフォーム粒剤と土壌くん蒸剤A剤、そして無処理の試験圃場で比較した結果、ユニフォーム粒剤は、発病株率、発病度とも土壌くん蒸剤A剤と同程度の低いレベルに抑えました。また処理コストにおいては、被覆資材費、人件費、廃プラスチック処理料を削減できるため、ユニフォーム粒剤を使用するケースのほうが土壌くん蒸剤処理を下回ります。特にユニフォーム粒剤は1人で作業できるのに対して、土壌くん蒸剤は薬剤処理お、10aあたりのよびポリマルチの被覆と除覆に複数の作業者が必要になり、人件費において大きな差が生まれました」と近藤部長。さらに「チェーン式とホイール式のトレンチャーを比べた場合、効果に有意な違いはありませんでした。青森県内ではホイール式のほうが生産者の間に普及しているため、これは良い結果だったといえます。トレンチャー耕と同時に施用できることは手間や労力の低減につながりますので、普及の追い風になるのではないでしょうか」と普及への手応えをにじませます。「これまで根腐病に有効な薬剤が土壌くん蒸剤しかなかったことを考えると、防除効果と安全性を両立し、しかもコストメリットも見込める選択肢が得られたことは大きいと思います」と期待を寄せる近藤部長。最後に「ユニフォーム粒剤は土壌くん蒸剤が有する効果のすべてを置き換えられるわけではありません。また、あまりに頼りすぎて効かなくなってしまっては意味がないので、耐性菌を発生させないためにも同じ圃場での連年使用は避けるべきでしょう」と上手な利用を喚起されました。輪作を心がけながら、人にも環境にもやさしい薬剤を上手に活用してユニフォーム粒剤作条土壌混和方法をやまのいもの植付前の動画で紹介!10ユニフォーム粒剤(左)、土壌くん蒸剤A剤(右上)、無処理(右下)の試験圃場で育ったながいも(青森県産業技術センター 野菜研究所)チェーン式のトレンチャー(左)とホイール式のトレンチャー(右)(青森県産業技術センター 野菜研究所) 青森県産業技術センター 野菜研究所 病害虫管理部 近藤 亨 部長今回のテーマ「ながいもの根腐病防除とユニフォーム粒剤」根腐病がもたらす新たな脅威が明らかに。人と環境にやさしいユニフォーム粒剤の可能性に迫る

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