増え続ける世界の人口は80億人に到達し、食料不足で飢餓に直面する人々は8億人を超え、状況は今後も深刻化していく恐れがあります。そうした危機的な問題への対策として、EUや米国が戦略を発表するなど、持続可能な食料システムの構築はいまや世界的な重要課題となりつつあります。そんな中、わが国では“食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現”を目標とした「みどりの食料システム戦略 ※1(以下、みどり戦略)」を2021年に策定。化学農薬の使用量50%低減(リスク換算)、有機農業の取り組み面積割合を25%に拡大などを具体的な目標に掲げています。しかし、これら化学農薬・肥料の低減目標数値の科学的根拠や具体的手法は示されていないことから、「みどり戦略」の実施に当たっては、“持続可能な農業のための病害虫防除”の重要性を前提とした化学農薬の適正な使用について、各産地の生産現場の皆さまが納得できる形で検討・提案されることが重要だと考えています。SDGsが発表される前の2013年に、シンジェンタは持続可能な農業達成のためのコミットメントとして“グッドグロースプラン”というプロジェクトを発表しました。「資源効率を上げ、より多くの食料を生産する」など6つの目標を掲げ、2019年には「生産者と自然のためイノベーション加速」や「カーボンニュートラル農業への取り組み」といった、みどり戦略との親和性がより高い取り組みを含むリニューアルを実施済みです。例えば日本では、生物多様性資源の回復取り組みの一環として、みつばち餌資源を耕作放棄地の再生と合わせて確保する「耕作放棄地のお花畑化プロジェクト ※2」を2015年から継続しているほか、以前より東北地方のJA管内で「田んぼの生き物調査」の実施に協力するなど生物多様性の保全に対する活動を行っています。例えば、田植え前の水稲直播ソリューションである“RISOCARE”は、作業省力化とともに育苗、Q「流持れ続に可つ能いなて農教業え」へてくのだ世さ界い的。な2013年にスタートしたQシ取ンりジ組ェみンにタつの「いて持続可能な農業」へのご紹介いただけますか。具体的にどのような製品・技術をQ通じて「持続可能な農業」に貢献しているかご紹介ください。シンジェンタジャパン株式会社 技術企画渉外部 部長吉田浩之農業・農薬関係組織への広報・コミュニケーション、農薬の安全使用啓発などの業務や、持続可能な農業推進を担当1
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