H0491_みちくさプレス84号_
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JA鹿児島いずみのブランドかんきつ「紅さわ香」は、面積もまだ7haほどしかない紅甘夏の新品種で、平成29年に品種登録されました。生産者は甘夏部会166名のうちの50名ほど。最大の特徴は、濃い橙色の果皮で、味は適度な甘みと酸味が楽しめる品種だそうです。「紅さわ香」の品種発見やネーミングの由来について、同JA甘夏部会の大野貢さんにお話を伺いました。          「平成17年ごろ、『大野紅』という紅甘夏品種の1本の木に、3つだけ橙色が濃い実が成ったんです。その枝変わりを苗木に仕立ててもらって平成20年に植栽し、平成26年には品種登録の出願をしました。品種名の『紅さわ香』は、私の初孫の『さわ』からとった名前で、孫同様に立派に生長してほしいという想いを込めたものです」。鹿児島県外では石川、長野、東京などに出荷されており、近年は石川などの市場が果皮の赤みの強いかんきつを好むことから、徐々に人気を集めるようになってきたそうです。「紅さわ香」はもともと収穫された時点で橙色が強く、収穫後に貯蔵庫で予措・貯蔵を行うことで橙色がさらに濃い色になるのだそうです。最低3ヵ月は貯蔵することで色が濃くなり、甘み・酸味やコクも増すのだとか。貯蔵中は1個ずつビニールで個包装し、ヘタの変色や果肉のみずみずしさが失われるのを防止。3〜5月に出荷のピークを迎えると言います。かんきつは木づくり、土づくりが重要ですが、近年の生産者減少傾向の対策として、JA管内ではどのように作業を省力化しているのでしょうか。JA鹿児島いずみ園芸農産事業部果実課の道上耕平さんにお話を伺います。「当管内では、紅甘夏などかんきつの木を通常より50センチほど低く仕立て、剪定作業が楽になるように指導しています。剪定では腱鞘炎になる方も多いので、電動式剪定ばさみを積極的に推奨しているところです」。同JAでは、「紅さわ香」などの紅甘夏の販促キャンペーンにも余念がありません。8年ほど前から、抽選で鹿児島黒牛肉や紅甘夏ドレッシングなどが当たる紅甘夏アンケートのキャンペーンを青果市場に提案し、取り組んでいらっしゃいます。「仲卸会社さんにご協力いただき、紅甘夏2〜3個を1袋に梱包する際に応募はがきを同封しているのですが、年々返信が増えて今年は5300通以上の応募がありました」と話す道上さん。ツイッターでも3年前から募集を始めたそ鹿児島県お孫さんへの想いをブランドかんきつの名前に込めてかんきつの木を低く仕立て、剪定作業が楽になるように「紅甘夏キャンペーン」では、ツイッターの応募が3年間で10倍に!?かんきつ大野さんの園地では今年も紅さわ香が実をふくらませていた電動式剪定ばさみは作業省力の強い味方13日本一のツル渡来地として知られる鹿児島県出水市。JA鹿児島いずみでは、不知火、紅甘夏など229haのかんきつを果樹部会335名で栽培していらっしゃいます。近年は「紅さわ香」という紅甘夏の新しいブランドが生まれ、少しずつ認知度が上がるようになりました。今回はこの「紅さわ香」など紅甘夏への取り組みについてご紹介します。「「紅紅ささわわ香香」」。。紅紅甘甘夏夏のの新新ブブラランンドド濃濃いい橙橙色色でで高高いい評評価価をを得得るる

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