H0491_みちくさプレス84号_
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制度:伝統的な生産方※地理的表示GI保護法や生産地等の特性が、品質等の特性に結びついた産品の名称地理的表示を知的財産として保護する制度。軟果や裂果といった品質の低下を防ぐための病害虫防除。同JAでは3月の発芽前から11月の収穫までの間に、5回の必須防除を指導しています。中でも特に重要なのが、カイガラムシや円星落葉病の対策。円星落葉病では、葉に病斑が発生し、多発条件下では9月ごろ著しく落葉してしまうので、果実の早期過熟、軟化、糖度不足などを引き起こすそうです。円星落葉病は6月上旬から7月までが胞子の飛散が盛んな時期で、同JA管内では重点防除期間として円星落葉病対策の殺菌剤をローテーション散布されています。「10年ほど前から、6月下旬にスコア顆粒水和剤を散布するよう指導しています。加工場「市田柿工房」では、皮むきの際の果実固定を吸引式にした全自動皮むき機を導入スコア顆粒水和剤は予防・治療効果が高く、円星落葉病はもちろん、うどんこ病も同時防除できるので、うどんこ病の重要防除期間である6月下旬に採用しています」と同JA営農部果実課の羽生弘之課長は評価してくださいました。市田柿は、2016年に長野県初の地     ()() Ⓡ理的表示(GI)保護制度※に登録。市田柿の品質基準を満たしたものにGIマークを表示し、プレミアム感を高めたり、海外における「市田柿」ブランドネームの保護に役立てていらっしゃいます。同JAでは、GIへの登録を機に一昨年から本格的に市田柿の輸出を展開。昨年は、柿を好んで食べる文化のある中華圏での春節に合わせたギフト需要に合わせて、台湾、香港など向けに51トンを輸出されたそうです。また、JAみなみ信州柿部会は、今年の第48回日本農業賞の集団組織の部で大賞を受賞。市田柿へのこだわりや、品種の統一、2000人を超える生産者が団結したブランド確立までの取り組みなどが評価されての受賞となりました。さらに同JAでは、今年「市田柿工房」を増設し、従来の2倍にあたるシーズン生産能力600トンを可能にしています。「市田柿はもちろん、農産品は食卓に上る日常の食べ物です。こうした『食べ物』に関する女性の感性は鋭いし、確かな目を持っている。これからは農業に女性の感性を積極的に取り入れていく時代だと思います。また、農業のすばらしさを自ら体験して農業を志す若者がもっと増えてほしい。そう願ってやみません」と熱く語る常盤部会長。こうした農業に対する情熱、伝統に裏打ちされた技術が、消産地からちょっとひとこと自然豊かな長野県飯田市は、日本一焼肉店が多い街です。焼肉を食べて、ロックフェスティバルも楽しめるイベント「焼來肉ロックフェス」も毎夏開催されるので、ぜひ飯田市に遊びに来てくださいね!費者から支持される産地を支える原動力なのかもしれません。●3000倍液で落葉病、うどんこ病、炭疽病を同時防除。●円星落葉病、角斑落スコア顆粒水和剤の適用病害(抜粋)希釈倍数葉病に効果を発揮。●予防・治療効果が優れ、高い耐雨性を発揮。円星落葉病などの防除にスコア顆粒水和剤が貢献東南アジアへ海外輸出、国内では日本農業賞大賞を受賞かきスコア顆粒水和剤「市田柿工房」の新棟では選果、皮むき、乾燥工程を担当写真中央がJAみなみ信州柿部会の常盤部会長、左は同JA営農部柿課の福田 萌さん、右は同JA営農部果実課の羽生課長取材時の8月上旬、常盤部会長の市田柿は順調に生育していた開花摘果スコア顆粒水和剤殺菌剤殺菌剤ローテーション防除〈3〜11月〉の中で円星落葉病、うどんこ病対象に3剤を散布殺菌剤18作物名適用病害虫名うどんこ病炭疽病落葉病かき使用時期3000倍収穫前日まで収穫スコア顆粒水和剤の導入以来、常盤部会長の圃場では円星落葉病が発生していないそうですよ!道草みち穂3月4月5月6月7月8月9月10月11月■JAみなみ信州の市田柿防除スケジュール剪定病害防除ニュース

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