情報に基づいて病害虫発生予測メールを生産者の携帯電話に送るなど、計画的な作業や省力化を支援するものです。また、鹿児島県の茶工場では、降灰による茶葉の灰を洗浄する独特の作業工程がありますが、その洗浄機に使う洗浄水を、純水とカリウムだけでできた「ベジセーフ」という電解水にして残留農薬を除去するシステムを試験中。さらなる付加価値向上に期待しているところです。──病害虫防除についてはいかがでしょうか。取違さん 防除暦と違い、暦が8月からスタートしています。これは、病害虫防除にしろ、茶園の仕立て方にしろ、秋芽の時期が一番大切で、翌年に品質の高い一番茶をとるためのスケジュールなんです。防除暦にはアグリメック、ガンバ水和剤、アミスター20フロアブルを採用しています。アグリメックは重要な秋芽の防除に入れていますが、チャノコカクモンハマキ、チャノホソガ、カンザワハダニ、チャノキイロアザミウマ、チャトゲコナジラミなど幅広当管内の防除暦は、通常のい害虫に効果があるのがいいですね。ガンバ水和剤やアミスター20フロアブルは、以前から定番剤として採用されており、系統の異なるローテーション防除の中で、長年活用されています。──今後の取り組みについて教えてください。取違さん 園を集約して団地化を進めたいと思っています。管内の中には、離れた他人の茶園の中に1枚だけ自分の畑がある、輸出国が異なる他人の茶園が隣接している、かんしょ畑の中にポツンと茶畑がある、といったケースもあり、作業効率や防除でのドリフトなどの課題があります。だから、今後は茶園の集積や団地化を推進していくことが目標です。作業効率を高めるために茶 茶 Ⓡ茶茶茶●素早い殺虫効果を発揮。●カンザワハダニ、チャノホソガ、チャノホコリダニ、チャトゲコナジラミなどに高い効果。●チャトゲコナジラミ、チャノミドリヒメヨコバイ、チャノホコリダニなど難防除害虫に高い効果。●従来の殺虫剤と異なるチオウレア系の殺虫剤。●2000倍液で茶の炭疽病、輪斑病、新梢枯死症などに優れた効果。●浸透移行性により高い耐雨性を発揮。アグリメックアミスターⓇ20フロアブル「かぶせ茶」では被覆資材で甘みを高めるフィールドサーバーでは、圃場のセンサーで各種データを収集■JAあおぞらの茶防除スケジュール秋芽萌芽〜4葉期アグリメック殺虫剤20アミスター20フロアブルの適用病害(抜粋)希釈倍数(倍)ガンバ水和剤の適用害虫(抜粋)作物名2000適用病害虫名希釈倍数(倍)ツマグロアオカスミカメチャノミドリヒメヨコバイチャノキイロアザミウマ10001000〜1500チャノナガサビダニチャノホコリダニチャトゲコナジラミ15008月9月10月2月3月4月5月6月7月最終摘採秋整枝ガンバ水和剤殺虫剤秋芽1〜2葉期に散布秋芽3〜4葉期に散布アグリメックの適用害虫(抜粋)ローテーションの中で、各薬剤を散布作物名適用病害虫名カンザワハダニ殺菌剤二番茶摘採直後に散布二番茶萌芽〜1葉期三番茶萌芽〜1葉期アミスター20フロアブル希釈倍数(倍)1000チャトゲコナジラミチャノキイロアザミウマチャノコカクモンハマキチャノナガサビダニチャノホソガチャノホコリダニチャノミドリヒメヨコバイ農薬の散布回数の少なさは、全国でも指折りだそうです!道草みち代適用病害虫名作物名炭疽病輪斑病新梢枯死症(輪斑病菌による)もち病殺菌剤殺虫剤ガンバ水和剤産地からちょっとひとこと栽培面積を増やした増産分の処理は、製茶や、摘採等の作業を他の農園にアウトソーシングすることで、管内の生産者がウィン-ウィンの関係になる。そうした「生葉と作業の流動化」を促すことで、生産者同士の親睦や技術交流にもつながっています。病害虫防除ニュース
元のページ ../index.html#21