H0491_みちくさプレス84号_
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1201年、駿河国栃沢(静岡市郊外)に生まれた聖一国師が中国からの種子を足久保にまいたのが始まりと伝承されている静岡茶。江戸時代には足久保のお茶を江戸城に献上するなど、銘茶として広く知られるようになりました。そのさらなる発展を目指してJA静岡経済連と県茶業会議所が主催する静岡県茶品評会には、普通煎茶、深蒸し煎茶、てん茶(抹茶の原料)、玉露、特別部門のつゆひかり、被覆茶、さらに近年ではウーロン茶、紅茶など470点もの荒茶が出品され、3日間にわたり外観、水色、滋味、香気を審査します。外観では形状や色調の均一性を、水色では澄み具合や濃度を、滋味では甘味、渋味、苦味、うま味のバランスを、香気では香りの鮮度や品目ごとの特有な香りなどを16名の審査員がチェック。各部門の成績優秀者には農林水産大臣賞や県知事賞が授与されるほか、普通煎茶、深蒸し煎茶、てん茶で1等1席(最優秀賞)を獲得したJAには優勝旗が、さらに同一産地で上位3点の合計点が最上位の産地には優秀産地賞が授与されます。地域と生産者の威信をかけた品評会だけに、その審査は極めて厳格。湯は7秒間隔で正確な量を注ぎ、浸出時間は普通煎茶5分、深蒸し煎茶4分、てん茶5分、玉露6分、被覆茶4分、つゆひかり4分と定め、ストップウォッチを手に正確に計測。浸出後は茶葉の入ったネットカップを茶碗の上方10cmへ水平に上げ2秒間、続いてその位置で2秒間たら茶葉を廃棄──この計7秒間の動作を寸分の狂いなくひたすら繰り返します。茶業関係者が一致団結し、茶の品質向上に心血を注ぐ静岡県。国内における茶生産量の4割、流通量の7割を担う〝日本一の茶処〟となっていることが、その努力の証と言えるでしょう。これからも消費者に選ばれる茶産地であり続けるために、品質向上に向けた静岡県の取り組みは続きます。静岡県ご存じですか?静岡茶のさらなる 品質向上を目指してストップウォッチで 正確な秒数を計測「静岡県茶品評会〈第56回〉」では、複数の審査員が何往復もしながら味を見る(右上の写真は、品評会の会場静岡茶市場〈静岡市葵区〉)湯を注ぐ際は1人が正確な湯量をチェックこんな会社です!見て触って荒茶の色調や均一性を確かめる茶の命ともいえる香りの審査も欠かせない   45度に傾け、再び水平に戻し道草みち子茶栽培面積約17000ha、栽培農家数9500戸を誇り、日本を代表する茶の産地として知られる静岡県。標高の高い山間地では繊細で香りの強い茶葉が、標高の低い平坦地では力強い味の茶葉がとれ、産地による風味の違いも魅力のひとつです。そんな静岡茶の栽培技術向上と、茶業の安定的な発展を図ることを目的に開催されている「静岡県茶品評会」。その厳粛な審査の一部始終をお伝えします。コラボレーションを通じて、安心・安全な省力散布を目指しています!Ⓡはシンジェンタ社の登録商標2019年10月作成(KF/MO)農薬散布実証試験の模様はこちら!「農業ドローンと農薬の安心・安全」の実現に向けて一歩前進シンジェンタジャパン(株)とDJI JAPAN(株)は、日本の農業の持続的な発展に両社で貢献していくことを念頭に、4月4日に業務提携に向けて覚書を締結し、「農業ドローンと農薬の安心・安全」の実現、ドローンによる安全な薬剤散布技術と教育カリキュラムの確立に向けて連携しています。さらなる省力化の鍵を握る複数編隊自動航行による農薬散布実証試験を茨城県龍ヶ崎市の(有)横田農場で公開実施し、行政や研究機関、報道陣、農業関係者約100人に参加いただきました。

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